スペイン滞在記:片鱗見たい

さて、今週末に劇団イキウメの新作「片鱗」がある。
これは是非見たい。
先々週も見たい舞台が目白押しで国内に戻りたいな〜と思ったが、まず観劇の為に国内に戻りたいと思わせ
てくれる公演がある事は嬉しい。勿論今は戻れる状況ではないのだけれど。

さて劇団イキウメ並びに前川知大をなぜ斯くも推すか。
と言っても、前川氏の事を誉める人間は山ほどいる訳で、ここで文章の下手な僕が氏を誉めたところでなぁ
とも思うし、そもそも言葉の表現をやってる人間に対して言葉にし文章にする事自体ハードルが高く、自分
の力の無さを露呈する事になり恥ずかしいのでちょっとだけにさせてもらう。
あ、これは彼の公演の宣伝ではないのを始めに。

さて、僕が前川氏を推す理由は氏とはダンスの話しができる。というのがある。これはかなり稀だと思う。
身体表現に興味がある演劇関係者の方は当然いるかと思う。特に最近は演劇の世界でもステージングというジャ
ンルがあり、様々なキャリアのダンサーが起用される。
僕が興味が沸くのは彼らはどういう視点でダンスというジャンル、身体表現というジャンルに必要性を感じ、
自分の演劇に活そうとしているのか。興味だけなのか?作品にダンスを入れたいから?
勿論理由はなんでもいい。
氏の場合は面白くて既にダンスに対しある種の理解を携えてる様に感じる。
そこが彼に最も惹かれる部分である。
「身体表現というジャンルについて」というトピックが彼の頭の中に搭載されている気がするのだ。
ダンスに対ししっかりと、いや時に曖昧でいいがビジョンがある。これは気持ちがいい。

違う言い方を探してみた。
前川氏には一種の都市的な匂いがする。でも一方で牧歌的な一面も見える。
成りもそうだよね、一見爽やかだけどそれってかなり怪しい。
昭和の匂いさせながらコンピューターとかも熟知してそうな。
きっと、ダンス作品も作れるんじゃないかなと思わせてくれる。しかし、演劇の演出家そんな演出家である。

んで、そんな人間をボスにした劇団イキウメ。
羨ましい事に10年越えてるらしいじゃないすか。10年もそれぞれの脳みそで一つの価値観に向かい共同作業
している。それは脅威的。皆そんな前川氏を理解しようと10年近くやってるんだから。くわばら。くわばら。
一人一人が修行僧やなんとか職人さんみたいになってるなぁと稽古場見させてもらうと感じます。

最後にダンサーに推す理由。
我が国のコンテンポラリーダンスの世界において振付家が少ない。
結果ダンサーも自分の世界を踊る事に突出したダンサーが多くなる。それはそれ、良いも悪いもない。
でも僕は振付家の踊りを踊る事がダンサーの最低条件だと思っている。振付家が少ない以上、ダンサーも多く
ないんじゃなかろうか。
まして、コンテンポラリーという振付家やダンサーを職とし生業とするのであれば舞台の事全般に意識が開け
てないとと思う訳。そんな中で同時代の同じ国の同じ舞台という場所を生業とする才能のある人を知る事は最
低限だと思う。だから推しちゃう。ぐっと。

振付家志望、ダンサー志望がダンスだけ見てる時代は終わった。今の時代は、もうそういう時代。怖い時代だ。
ま、人にはスタンスがあるから人の影響を受けやすいから見ないってチョイスもあるし、言っちゃえば個人の
自由だが。あ、これはダンサーだけの話しではないとは思うが僕はそのジャンルの人間ではないから言及しない。
ただ、前川氏はダンスの事もちゃんと知っている。その意識の高さがプロであり、彼をお勧めしちゃう要因なの
である。

僕は彼の作品を見るたびにふとダンスを踊りたくなる。そして、作品を作りたくなる気持ちをくれる。
体が刺激される希有な演劇作品を作る人間だと思っています。

と、こんな感じ。上手く伝わらないだろうな。
まとめるととにかく彼は非常に怪しいんだ。正しく怪しい。だから見てもらいたいって事で。

たまにこんなブログもいいだろうという事で、青山円形でやる片鱗見た過ぎて狂いそうだという内容でした。
ま、修行に我慢はつきものじゃい。

さ、今日も新作の通しだ。行ってきまーす。修行修行。

平原慎太郎

4 thoughts on “スペイン滞在記:片鱗見たい

  1. 原田

    はじめまして。

    イキウメにはずっと興味を持ちながらも
    観ないままでいたのですが、平原さんの
    ツイッターを拝見して、背中を押される形で『片鱗』、
    観に行くことを決めました。福岡の人間なので、
    来月の話です。
    私はダンスとは無縁の人間ですが、
    ブログも拝見して、ますます楽しみになっております。

    私事ですが、庭にいる犬が季節のことなど
    気にも留めていない顔をしながら、着々と冬毛を
    備え始めているのがおかしくも感動的です。
    スペインも寒くなってきているとのこと、
    どうぞお体を大切にお過ごしくださいませ。

  2. Shin Post author

    原田さん
    メッセージありがとうございます。
    「片鱗」行くんですね。羨ましくて狂いそうです。
    季節の変わり目ですよね、確かに毛皮が冬仕様になっていく姿って関心します。
    こちらでは庭の木の皮がメリメリはがれてます、これも何か関係あるのかな。
    自然の躍動から四季を悟るのも風情ありますね。
    あ、メリメリと言えば住んでる所の天井も今朝はがれてしまいました(笑)。

  3. 佐藤

    はじめまして

    舞台・ダンスを観る事が大好きです。
    2007年9月 青山円形劇場でイキウメ「散歩する侵略者」で舞台にハマりました。
    2010年9月 「元気になるよ」と友人に薦められ、東京芸術劇場でコンドルズを観ました。
    友人の言葉通り元気をもらい、平原慎太郎というダンサーに惚れました。
    そこから[平原さん・前川さん・イキウメ]が私のお気に入りに。

    「奇ッ怪 其ノ弐」で平原さんの名前を見つけた時は夢かと思いました。
    その後も、双方のコラボが続き、私にとって非常に贅沢で幸せな時間でした。
    「獣の柱」では偶然にも平原さんと同じ回を観ていて、内容にも振付にも感動して
    危うく、平原さんに話しかけてしまいそうでした…。

    「片鱗」本日、東京楽日。別方向から2回観劇。
    役者さんのナチュラルかつ洗練された芝居、無駄のない動き、円形を生かした演出。
    最高でした!!

    普段は平原さんもイキウメもそっと応援しているので、
    このようなコメントはしないのですが、イキウメの良い舞台を観てテンションが上がり、
    イキウメファンとしては、離れた空の下から平原さんがイキウメ推ししてくれているのも
    とても嬉しくて、初コメントが長くなってしまいました・・・

    平原さんの舞が暫く観れないのは残念ですが、進化した平原さんを待っています。
    お身体気をつけて、いろいろ吸収して帰ってきてくださいね。

    1. Shin Post author

      佐藤さん
      メッセージありがとうございます。すごく嬉しいです。
      今回の前川さんの評判がよくここまで届いてきてます。見たかった。
      「獣〜」も面白かったですよね、ホント作品毎に変化する発想に驚きです。

      僕もその分こちらでも影響をもらっています。進化して帰りたいなぁと毎日きりきりしています。帰国後も応援お願いします!
      見かけたら話しかけてくださいね、目つき悪いかもしれませんが噛み付きませんから(笑)。

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