先日面白い時間を過ごした。
ある劇場のプログラムがこの一週間カルメンワーナー関連の公演で、
始めの二日間がカンパニーの三人の女性ダンサーそれぞれのソロ作品。
そして残りの四日間がカンパニーによる全員の作品というものだった。
僕はそれぞれのソロ公演もカンパニーの公演も見に行った。
まず始めに見たそれぞれのソロ。
作品は各々が作った作品なのだがカンパニーに2年前から参加したダンサーの作品、
5年居るダンサーの作品、そしてカルメンの作品を見る事ができた。
ここで感じたのは作品が本当に成熟されている事。
使う物は皿だったり椅子だったり手紙だったりシンプルで奇抜な要素、例えばプロ
ジェクターによる映像の投影などがある訳ではないが、各自体でそれぞれのドラマ
を演じきる。
額縁に飾られている絵を見ているかの様で作品の好き嫌いは当然あると思うが、そ
れ以前に作品の完成度が高かった。し、作品として成立しているなと思った。
なんて言ったらいいか解らないがカルメン自身がスペインでやってきた足跡が若手
のダンサーを通して見る事が出来てそこにも感動を覚えた。
そして昨日見たカンパニーの公演。
昨晩エキサイティングな公演を見た後の作品なので、普通に三人が並んだだけでテ
ンションが上がる。
加えて年代見た目のバラバラの男性陣。しかしどこかで揃った質。
面白い。
体だけで同じ言語を話す部落の様に見える。
踊り方が違ってもそう見えてきて、同じコミュニティに居る者同士が様々な年代で抱え
る様々なトピックを理解しながら生きている様子に見える。
でももっと面白いなと思ったのはこの作品のどこが面白いのか説明がつかないの感覚
があったのだ。
一つ一つのシーン自体は面白い。
でも繋がりに整合性がある訳ではない。
でも見入ってしまう。
感動の火が灯ってしまう。
久しぶりに感じた、説明の無いままで作品として成立し面白いと思える作品。
なぜそこで踊るのか必然性があるからどうかなんていうのは必要ない様に感じた。
彼女のカルメンの中でそれが明確なのであればそれでいいように思えた。
共感は見ている各個人が歩み寄ったり理解しにいけばいい様に思えたのだ。
この体験は新鮮な感覚で物を見る目を再び気づかせてくれた。
ここまでダンサーとして振付家として長年やっているとやはり自分の理解の枠の中にある
物が見やすく面白くなってくるがそうじゃない場合もあるという事を気づかせてくれた気
がした。
いやぁ、長くなった。
しかし充実した時間だった事を書き綴りたくなってしまったのでした。
来て一週間既にいろいろな経験を与えられている。
これから数ヶ月本当に楽しみだ。
さ、今日も劇場行こ。
説明のつかない面白さに出逢った時の感動は何者にも変えがたいですね。
喜ばしい。それが血となり肉となります。
帰国後のダンスは観に行きます!
ruuさん
毎日刺激を受けています。本当に純粋な感性が作品を取り巻きます。
楽しい毎日です。メッセージありがとうございます、台風気をつけてください!!