さて今週末(木曜日)から青山円形劇場で本番です。
振り付け家は中村恩恵さんという方でとてもとても思慮深くふわふわとした素敵な方です。
彼女を知る方は彼女の深い知性と鋭い感性からくる言葉を彼女の魅力と言うかと思います。まるで詩人のように万物を捉え表現します。
時折遠くの方に飛んでってしまいますが、そこも魅力です。
一緒に踊るダンサーは鈴木ユキオさんという方で彼もまたとても素晴しいアーティストです。
西洋の踊りとは異なったラインを持つ動き。踊りは流々だと改めて感じる事ができる彼の体が持つボキャブラリーは新鮮です。
音楽家は内橋和久さんというベルリンを拠点に世界をところせましと飛び回る音楽家としてもプレイヤーとしての経験も豊富な方です。
子供の心を持ち続けてらっしゃるいたずら心とそれを不意にぶち破る力強さはとても刺激になります。
僕の様の若輩の言葉にも耳を傾けるその柔軟さも魅力です。
彼らと共に計2ヶ月間ですか、今週の木曜日から始まる公演の為に稽古を重ねて来ました。
自宅でも作品の余韻や稽古の余韻に浸り、毎日を作品と過ごしました。
突然ですが、僕にとってこの機会は出会いでした。
中村さんも鈴木さんも面識はありましたが内面に触れる事ができた今回が初対面の様な気がしましたし、内橋さんは遠く何処かで共感する事が多くあり、出会いの奥深さを体験しました。
今この出会いが結実しようとしています。
結実し感情の底にあるそれぞれの個性や嗜好の境地であるエッジの効いた表現の結晶を精製し、その結晶が相まってその場その時にイメージの残像を残す。それを赦された機会。
そう、先端が鋭く尖り危うく脆い故に美しさを兼ねるこの作品との出会いでもあったのです。
人との出会いは人の重ねて来た知識や経験との出会いでもあります。それを見聞きする事はそれを共に生きてきた様な気にさえなります。
この恵まれた機会に感謝をしつつ、自身の100%を越える誠意と熱意と衝動でこれに臨んでいきたいと思っておりますです。
多くの方にこの作品に出会って頂きたいと思います。
何卒宜しくお願い致します。
「ASLEEP TO THE WORLD」TOKYO DANCE TODAY #8
2013年3月7日(木)~3月10日(日)
会場:東京都 こどもの城 青山円形劇場
振付:中村恩恵
共同振付・出演:鈴木ユキオ、平原慎太郎
音楽・演奏:内橋和久
料金:前売3,700円 当日4,200円
平原慎太郎