スペイン滞在記:動物達の背中

カルメンが来週からマドリッドから日本に行く。
これはカンパニーの冬休みの間に日本でショーイングとワークショップをする為である。
彼女が踊る作品は「Algun Dia」というデュオ作品だが彼女の成熟した表現が見られると思う。

その間カンパニーは冬休みだがコンセルバトーリオというバレエ学校に行って体を動かしたり、スタジ
オで自習をしたり少し自分と向き合う時間になりそうだ。これはこれで楽しみ。
三ヶ月で何を得たのか。底に溜まった言葉を踊りに置き換えるには衝動よりも耐久力が必要だと感じて
いる。じっくりかき混ぜ沈殿した様々なアイディアを再び浮上させて身体から染みるようにしなくては。

それにしても来年自分が参加する作品のビデオを見たが唖然とした。
キンッキンに尖っている。
作品もダンサーも。
僕が22歳の時に見たカルメンのカンパニーのダンサー達の印象は、動けば動物の様に躍動感と野性味に
溢れていたし、それが終わるとサイレントムービーの登場人物の様に立ち振る舞うそんな二面性を持って
いるというものだった。

彼らの身体性は何処からくるのか。
一つに抑制と解放があるのではと思う。
彼らは毎日カルメンの元でカンパニーの稽古1時間半を行う。その後でクリエイョンになるのだが一日の
ワークの時間の3分の1を基礎力を上げる時間に費やす。
可動域の調整。体幹の認知。バレエ基礎。微細な間接の動きのコントロール。
それを毎日一時間半積み重ねた上でそこからズレるという事や抑圧の扉を開け、基礎の支えを失いながら
も自分本来の備えられた動きを模索し立つ事を試す。
その結果ああいう踊りができてたんだと知った。
これはでかい。

自分は現在コンテンポラリーダンスの指導もしている立場だが男性の受講生が圧倒的に少ない。
9割女性。しかし男性ダンサーは少なくない。
基礎を持ったダンサーを最近とんと見ない。日本でやるつまらなさの一因かなと感じる。

昔島地保武が本番前にこう言った。「かき回してこい。」
彼の真意は知らないが自分はこう捉えている。
今まで踊り溜めて沈殿しているアイディア、基礎、費やした時間をかき回し表出しろよと。
舞台の上をかき回す事と同時に自分の中もかき回せと言ったのかななんて思う。
言葉が少ないが彼らしい言葉だと今も心に残っている。

どれくらいダンサーっていうのが国内に居るのか僕は知らないがかき回せるだけの何かを持っているかどうか
これが重要だなと思う。

帰国したら是非ダンスカンパニーを立ち上げたい。

平原慎太郎

左よりカルメン、オスカル、平原、リカルド 憧れのダンサー達です。

左よりカルメン、オスカル、平原、リカルド
憧れのダンサー達です。

3 thoughts on “スペイン滞在記:動物達の背中

  1. Junko Okuda

    あはは、平原慎太郎の名前をどこかに入れたい願望あり。
    というわけで
    OWGS
    ↑全部入れてみた。笑 
    1万回公演めざして Grease10000 とか。笑
    楽しいね〜^^〜

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