スペイン滞在記:Provisional Danza

既に3週間が経過したというのが正しいか、まだ一ヶ月経っていないというのが正しいか。
私日本を離れてからなにやら気持ちと時間がアンバランスです。
しかも昨日サマータイム制度という人間の体内時計を破壊する制度がことごとく施行され、またもや自分の
持つ時間の感覚が解らなくなってまいりました。
いや、いいんです。時間の事です手も足も出ません。
それに従うのみではあります。

今回は時間を使っている場所がどういう所なのかをお知らせしたいと思う訳です。

僕が今在籍しているProvisional Danzaはマドリッドのコンテンポラリーダンスカンパニーといえば知られた
カンパニーです。
主催のカルメン・ウェルネル(日本ではワーナーと言われてるがこちら読みでウェルネル)は25年このカンパ
ニーを牽引し、スペインのコンテンポラリーダンスシーンに深く影響を落としてきました。

で、ですね。上では知られたと書きましたが、実はヨーロッパの中でもメジャーではないのですよ。実際。
しかし、熱狂的なファンが多い訳です。
マドリッドのある劇場では彼女の公演となると平日でも満員です。
実際、昨日までメキシコ始めとする南米ツアーに出ていました。それは毎年行ってるらしいです。マニアック
な土地ですがツアーを組んで回るそうです。
コンテンポラリーダンスの商業的なシステムに乗らず、しかし、世界中をツアーをするこの人の作品とカンパニ
ーは僕にとってとても魅力的です。
このカルメン・ウェルネルの魅力は何かと聞かれて最初に出るのが、彼女自身が純粋に踊りが非常に好きであ
る事。
この頃のダンスはやはりなぜ動くのか、踊るのかという所に言及した作品が非常に多い。
しかし、彼女の作品はまず踊る。踊る事がメイン。言葉を使おうが笑いを取ろうが、それとの整合性をかわすか
の様にひらひらと。それが僕にはたまらなく良いのです。
踊りの内に全てが内包されていると彼女は言う。台詞も踊りの一つだと。笑いも人間が作る一つの踊りだと。

音楽もクラシック、ノイズ、時にビートの強い4つ打ちだろうと構わず詩的にひらひら踊る訳です。これがなん
ともいいのです。いいと言うのは原点に戻してくれる。動きの不思議さや踊る人のかっこよさにについて教えて
くれる訳です。やはりダンサーっちゅうのは体効いてなんぼですよと。
僕がカルメンの所に世話になろうと思ったのはここな訳です。
いいんですよ。ダンスは皆がやって。一緒に踊るべきです。それはプロもアマも問わない。
しかしそれとダンサーが身体を放っておくのとは問題が違う。彼女はマニアックな動きを子供の様に探し、それ
を使って詩的な構成や音楽をあてはめ作品にしていく素敵なダンサーなのです。

僕は女性に是非彼女の作品を見て頂きたいですよ。
彼女の作品は女性が魅力的に描かれます。

カルメン自身もその描かれた素敵な女性を演じますが、まー動きが冴えている。
土臭い。やんちゃ。パンク。なんて言えばいいんだろう尖っている。とかラディカルとかそういう感じ。
つまりかっこいいっすよ。

11月彼女の作品をスペイン人のダンサー達に混じって踊ります。これについてはまた書きますが着々と勉強さ
せてもらってますよ。来て良かった。今は、もう3週間経ってしまったと体内の時計が言ってます。

まだまだこれからですが有意義に学ばせて頂きたいと思います。

ではでは今日はこの辺で。。。

平原慎太郎

 

 

 

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